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亜種って何?

まずは、下の画像を見てください。どちらもレッサーパンダです。

シセンレッサーパンダの画像
シセンレッサーパンダ
出典:ヒーマンの上野を散歩

ニシレッサーパンダの画像
ニシレッサーパンダ
Title:P9022808 | Flickr
Uploaded by merec0

人によっては「少し違う」とか「ぜんぜん違う」とか、意見がわかれるところだとは思いますが・・・。

少し違うのなら「亜種」を考え、ぜんぜん違うのなら「別種」を考えてみるということが、アバウトな最初の考察になります。


亜種を一言でいうと、「地理的隔離の結果、形態的・遺伝的に異なる集団」ということになるので・・・。

シセンレッサーパンダとニシレッサーパンダの違いは、形態的・遺伝的に異なる集団ということになります。

ちなみに、シセンレッサーパンダとニシレッサーパンダを、「同種(亜種)だ」とする研究者が大勢ではありますが、「別種だ」と主張する研究者もいます。

亜種とするか別種とするかの分類には、研究者たちでさえ意見がわかれるようです。

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上記のような形態的・遺伝的な差が生じたのは、地理的隔離の結果ということになりますが・・・。

まずは、シセンレッサーパンダとニシレッサーパンダの分布域を見てみましょう。

» シセンレッサーパンダ :中国南部、インド北東部、ビルマ北部

» ニシレッサーパンダ:ネパール、インド北東部、ブータン

インド北東部には両亜種が分布しているんですね。

でも、「同地域なのに、地理的隔離?」という疑問符どおり、いささかミスマッチな分布のようにも思えますが…。

実は、ヒマラヤ山脈を源流とするブラマプトラ川が、インド北東部のアッサム州を横断して、ガンジス川に合流しています。

結果として現在では、ブラマプトラ川の東側にシセンレッサーパンダ。西側にはニシレッサーパンダが分布しています。

レッサーパンダの地理的隔離の画像
レッサーパンダの地理的隔離
レッサーパンダの画像:いらすとや
地理的隔離図作成:当サイト

ブラマプトラ川に分断されることによって、地理的に隔離された集団になったということですね。

その結果、形態的・遺伝的に異なる集団である亜種として分類されています。

ちなみに、レッサーパンダの場合は川によって隔離されていますが、山や高地、海洋、地峡、砂漠、氷床なども地理的な隔離になりえます。

上記のように、地理的隔離の結果、形態的・遺伝的に異なる集団を亜種と呼びますが…。

さらに付け加えると、「亜種間には生殖的隔離はない」となります。

生殖的隔離という言葉を要約すると、「妊性がないこと(繁殖能力がないこと)」を意味するので…。

「生殖的隔離がない」ということは、亜種間での交雑によって子孫(亜種間雑種)を残せるということです。


もしも、亜種間雑種が増えていけば、やがては亜種の絶滅危機へとつながるわけですが・・・。

地理的隔離ということが亜種の前提であることから、自然下では本来、稀(まれ)な例になるようです。

ただ、近年の異常気象や人為的な環境破壊によって、地理的隔離の垣根が崩壊するときが来るのかもしれません。

あるいは、すでにもう…。一部地域では崩壊しているのかもしれません。

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コラム
生殖的隔離

前述のように、亜種間には生殖的隔離はありませんが、種間にはあります。

つまり、「種が異なれば繁殖できない」か、「妊性のある種間雑種は誕生しない」ということになります。

たとえば、人為的な種間雑種ではありますが、下の画像はレオポン(父親がヒョウで、母親がライオン)のメスで、ポン子と呼ばれていました。

親はどちらもヒョウ属なので、同属別種になりますが、ポン子は次の世代を残すことなく死亡しています。

雌のレオポン(ポン子)の剥製の画像(出典:ウィキメディア・コモンズ - Wikimedia Commons)
雌のレオポン(ポン子)の剥製
File:File:Leopon ponko.JPG - Wikimedia Commons
Author:TRJN

コラム
生殖的隔離の例外?

ただ、すべての同属別種間に生殖的隔離があるのではなく、「生殖的隔離の例外?」と思えるような事例も報告されています。

たとえば、2006年4月。カナダ北部・バンクス島で射殺されたクマはDNA鑑定の結果、父親がグリズリーで、母親がホッキョクグマだと判明しています。

また、2010年4月。カナダ北部・ヴィクトリア島で射殺されたクマは父親がグリズリーで、母親がホッキョクグマとグリズリーの種間雑種だと、DNA鑑定で判明しています。

つまり、「種が異なれば繁殖できない」とか、「妊性のある種間雑種は誕生しない」とかといわれる生殖的隔離が、自然下でくつがえったことになりますが…。


グリズリー(ハイイログマ)はヒグマの亜種であり、ヒグマはヨーロッパからアジア、日本、北極圏と、広大な範囲に分布しています。

DNA鑑定によると、北極圏に分布するヒグマの一部は、他地域のヒグマよりも、むしろホッキョクグマに近いということが、十数年以上前から指摘されています。

また、同時期には種間雑種、および妊性のある種間雑種の事例も報告されています。

そのようなことから、「ホッキョクグマはヒグマの亜種にも等しい」とか…。

「ホッキョクグマは別種として分岐しきっていないのではないか?」とする見解も一部にはあります。

ページ公開日:2019年2月17日


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